マリア像の落涙現象
先日書いた南山宏・著『続・世界の怪奇ミステリー』はマリア像の落涙現象についても紹介しています。木製や陶製のマリア像が涙を流すというもので、1970年代前半くらいから欧米各地で確認されて話題になりました。
それが奇跡なのか、人の手によるものなのか、それはわかりませんが、おそらくベトナム戦争の影響なのでしょうね。長くつづいたベトナムでの戦火は、欧米ではよほど重く受け止められていたのだと思います。
件の本にあるマリア像は
- 1972年6月に涙を流し始める
- マリア像はファティマで聖母を見た三少女のうちルーシーが作ったとされている
- アメリカはニューヨーク州ロングアイランドの個人宅に飾られていた
- 持ち主(?)バレリー・ノーブル夫人
- 夫人の弟ジョセフ・グロールトはカトリックの神父
- 神父はこのマリア像とともに車で全米をまわり人々の信仰心を高める計画の途中だった
- 7月6日から10日間でニューオリンズへ行く途中、マリア像は10回泣いた*1。
- ニューオリンズに着いてからは涙を流していない
- 7月17日に次の目的地へ出発すると、再び涙を流し始める
- 地元宗教新聞クラリオン・ヘラルド紙の編集長エルモ・ロマゴーサ神父が駆けつけて写真を撮った(件の本に掲載されている)
- AP通信によって全世界に報道される
- 写真をみるかぎり大した大きさではなく、高さがせいぜい50cmといったところじゃないかと思う*2
- 頭に冠をとめるための穴があり、この穴に水を入れてみたが染みこまなかった*3
信仰を広めるための巡回旅行中というのが本当にあやしくて、いや、それはもう、どう考えても、ムニャムニャ……という感じなんですが、落涙現象ブーム初期の例としてとても気になります。
このマリア像が今どこでどうしているのか検索をかけてみました。でも「これだ!」というのがみつからないんです。マリア像の落涙現象は現代でもあちこちで観測されているらしく、さまざまな例が数限りなくヒットしてしまう。
http://www.246.ne.jp/~y-iwa/christblood.htm
こちらのサイトなど、よくまとまってて面白いんですが、わたしが探してるのはなさそうです。ポルトガルのファチマ聖母像というのが、とても良く似た形をしているんですが「写真から、大量の血の涙が」とあるので、ニューヨークの例とは別でしょう。
まだ英語では検索していません。もっと時間をかければ何かわかるかもしれませんが、今日のところはこのへんで。
検索していて、日本の秋田にも涙を流す聖母像があると知りました。
http://www.newlifejm.net/japan_top.html
http://sakurakomachi.at.webry.info/200703/article_5.html