ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

アイヌ語とソロン語の数詞

 ソロン語はツングース系の言葉でオロチョン語と仲間……らしいんだけどよくわかりません。たまたま取り寄せた本にソロン語の数の数え方が載っていたのでメモします。

 アイヌ語は、たまたまマイブーム中なので並記しますが、ソロン語とは大した関係はなさそうです。

漢数字 アイヌ語 ソロン語
sine omu
tu ziul
re ilan
ine zigin
asikne tonga
iwan nigun
arwan nadan
tupesan zahon
sinepesan yugin
wan zan
十一 sine ikasma wan zanna-omun
十二 tu ikasma wan zan-ziul
二十 hotne olin
二十一 sine ikasma hotne olin-omun
三十   goten
四十   dohi
五十   tonge
六十   nigunge
七十   nadange
八十   zahonge
九十   yalun
  omun nama-zi
  omun minggan
  omun tumun
十万   zan tumun

1565をソロン語で言うと
omun minggan tonga nama-zi nigunge tonga
一千・五百・六十・五


 アイヌ語にも三十以降の数え方が存在するそうだが、ユーカラなどの物語にはほとんど出てこない。

 アイヌの場合、十一以上は「十に一余る」というような言い方をする。

11 sine ikasma wan
12 tu ikasma wan

 十一の鳥という場合、一の鳥が十の鳥に余る、と言わなければならない。

sine cikap ikasma wan cikap

十一個 sinep ikasma wanpe
十人 sinen ikasima waniw

参考資料
『アジア・太平洋地域民族誌選集34』
『カムイユカラでアイヌ語を学ぶ』



 ここからは与太話だけれど、アイヌ語の数は、三でひとかたまりになっている気がする。

1,2,3:sine tu re

4,5,6:ine asikne iwan

7,8,9:arawan tupesan sinepesan

10:wan

 一と四にあたる数詞が似てるのは偶然じゃなく、そこが区切りの始まりだからじゃないんだろうか。また、六と十が似ているのも、そこがキリの良い数だからじゃないのかと思う。

 最初は三までしか数がなく、やがて三の倍である六まで増える。そのまま発展したら十二進数になりそうなものだけど、十まで数える文化がどこからかもたらされて、七、八、九は、十にいくつ少ないかで説明する……というストーリーを妄想しますね(あくまで妄想ですが)。