八つ橋の秘密
八つ橋は、お琴の大家である八橋検校にちなんで琴の形に作ったお菓子だと、わたしは中学の音楽の授業で習いました。八橋検校を習うついでに「お菓子の八つ橋は……」という具合に習ったのです。
しかし、わたしが食べたことのある八つ橋は、四角い生地にあんこを入れて三角に折ったやつで、どこをどう見たらお琴の形なのか、長年謎でした。
先日、知人が大阪出張のおみやげだといって、八つ橋をくれたのですが、
「俺はどっちかっていうと生八つ橋より焼いたのが好きだ」
というのです。
あ、そうか。わたしが食べてる三角のヤツは、生八つ橋だったのか! いや、確かに、誰に聞いても「生八つ橋」と言ってたような記憶がある。そうだ、生なのだ。生だとあえて言ってるからには、生じゃないのがあるのは当然じゃないか。
というわけでメーカーのサイトに行ってみた。
http://www.yatsuhashi.co.jp/introduction/index.html
がーん!!
焼いたのは、まるで形状が違うじゃないかー!
焼いたのなら琴の形をしてますね。
音楽のN先生、いまごろ気づいたダメな生徒を許してください。
# しかも、正しい「なま八つ橋」は三角じゃなくて、短冊形なのね(八つ橋を焼く前の形だから)。わたしが知ってる三角のは、生八つ橋の中でも「夕子」と呼ばれる別のものなのか……二重に間違っていたとは!