ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

チョコ風呂・カカオの栽培・利用法(世界ウルルン滞在記)

 最近一部で流行っているチョコ風呂。肌によく香りでリラックスできると言われているが、そのルーツはエクアドルにあるらしい。エクアドルでは新婚初夜をむかえる花嫁を砂糖の入っていないカカオ100%のチョコレート風呂で清めた。長く漬かっているとカカオの成分で興奮してくる。媚薬として用いられたらしい。

 カカオはつぼみが開いてから六ヶ月で収穫できる。エクアドルでは一年中栽培できる。食用にするのはカカオ豆(種)。実を割ると白い果肉につつまれた種が出てくる。収穫して自然発酵させると果肉が溶け出して茶色い豆だけが残る。豆を乾燥させてから出荷。

 現地の人たちのチョコレート作りは、乾燥させた豆を鍋で炒って、皮を剥いてからミルで粉にする。粉を団子状にまとめて冷蔵庫で一日冷やす。味と香りが凝縮される。大根おろしのようなものですりおろして粉にして、カカオバターと混ぜて湯銭して溶かし、大理石の台の上に伸ばして冷やす。この工程で艶や滑らかさが出る。別鍋で砂糖を溶かし、ショウガなどで香りをつける。大理石の上のチョコレートに溶かした砂糖をまぜる。型につめて固める。

 エクアドルではチョコレートは甘いという固定観念がなく、砂糖を使わないチョコレートをあらゆる料理に使う。リゾットにもチョコレートを使うから驚きである。また、糖尿病の人のために、ミントや果物で香りをつけた砂糖の入っていないチョコレートも開発されている。

 カカオの白い果肉はグレープフルーツに似たよい香りがして美味という。エクアドルではカカオを「テオブロマ:神様の食べ物」とも呼ぶ。味だけではなく香りも楽しむ。カカオの中でもっとも香りが豊かだといわれているのは、カカオ・フィノ・デ・アロマ・デ・アリバという種類。

 カカオの香りを強くするために、エクアドルの農園ではレモンやグァバやパイナップル、パパイヤ、オレンジ、サクランボなど、二十種類ほどの果物の木を一緒に植えて、実が落ちるままにしておく。落ちた果実や葉が肥料になってカカオの香りを強くする。