ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

蚩尤にたのんで疫病を追い払う(朝鮮の風習)

 ひきつづき李氏朝鮮時代の風習を。

 宮中では端午に朱書きで次のようなおふだを書いて貼った。「五月五日、天中之佳節、上得天禄、下得地福、蚩尤之神、銅頭鉄額、赤口赤舌、四百四病一時消滅、急急如律令」意味は、五月五日の天中節に、上では天禄を、下では地福を得る。蚩尤の神は銅頭で鉄の額、赤い口、赤い舌、四百四病がただちに消えなければ、律にのっとり罰をあたえる。>『東国歳時記』

 蚩尤(しゆう)は『山海経』にも出てくる戦いの神です。全身が金属で出来ており、頭に弩(いしゆみ)、両手両足にそれぞれ剣や弓などの武器を持っています。それらの武器を発明したのは蚩尤だと言われており、黄帝が応龍という龍を呼んで蚩尤と戦わせ、なんとかやっつけました。しかし、応龍は力尽きて天に帰れなかったので、地上は日照りになったということです(威力のある武器は金属製なので蚩尤は製鉄の神でもあったと思います。製鉄の神と日照り、もしくは嵐は、切っても切れない関係にありまして…話がそれるのでまたの機会に)。

 帝に逆らう悪者ですが、こういった力の強い者は調伏されたあとに魔よけの神になることが多いです。わたくし温いので、近代の中国で蚩尤がどんなふうに扱われているのかよく知らないのですけど、少なくとも朝鮮では蚩尤の威力で疫病神をおっぱらっていたようです。

 蚩尤の特徴として、銅頭鉄額というのはいいとして、赤口、赤舌というのが気になります。日本の六曜赤口というのがあって、赤口神が来るから何をしてもダメだという最大凶の日ってことになってます。赤口神と蚩尤に関係はあるのでしょうか?

# 妖怪的話題拾遺とかにトラックバックしたら人が来るかしら?
# ついでに「はてな妖怪ポスト」とか叫んでおいたら誰か教えてくれないかしら。赤口神ってやつのルーツはなんですか? 中国や朝鮮にもこれにあたる神はいますか?