ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

香田さんとかイラクとか

 首切り動画見てしまいました(四日前に)。みつけたら見ようと思ってましたが探していたわけではありません。たまたまリンクをみつけたので迷わず見ました。

 正しい人間はここらで何かに憤らなければならないのかもしれません。テロリストはなんて悪いやつなんだ、戦争ってなんて嫌なものなんだ、香田さんのご冥福をお祈りします、こんな結果になることはわかっているのにイラク入りするなんてバカなやつだ…などなど。

 ところが、わたくし元がかなり冷たいもので、動画そのものの感想は「こいつら手際いいわねえ」「よく切れるナイフだなあ」「出血はこんなもんなのか」「やっぱ痛いかなあ。それとも最初だけウッてなるけどすぐに意識が飛ぶかしら」「首切られてからどのくらいで意識がなくなるのかなあ(ギロチンの伝説は知ってるけどさ)」「なんで暴れないんだろ、薬でも打たれてるのかなあ(他の国の人も首切り前に暴れてないの)」「後ろの黒い旗が前と違ってるのはなんで?」しょうもないことばっかり。自分が切られてるとしたらその瞬間なにを思うかなんてことまで考えてしまいました。痛さに怯えて他のことにまで気がまわらないかしら、それとも「首を切られるとはこういうモノなのか…って分析しても死んじゃうから意味ねー」とか思うかしら…ダメだ、バカすぎる>わたくし。目の前で起こってることなら感じ方も違うし、助けられるものなら必死で助けると思うんですけどね。

 それより、これを見てイラクの人たちがどう思うのかを考えました。香田さんをやったのはザルカウイ派だそうで(犯行声明が出たって聞いた気がするけど本当?)、だとしたらイラク人が憤りでやってるんじゃなく、よその国の連中がイラクの戦争を利用して暴れているだけなんですよね。ムスリムのすべてがテロリストのように極端な思想を持ってるわけじゃないし、多くのイラク人はテロリストによる外国人の拉致殺害を憎んでいると思う、いや思いたい。

 けれどイラクはめちゃくちゃな状況でしょう。そういう状況下であれを見た時に、「テロ行為は憎むべきだけれど、アメリカはもっと気にくわない、アメリカを追い出すためならあのくらいの脅しは必要だ」なんてことを思う人も少なくないんじゃないかと…ほら、広島・長崎の原爆投下だって、アメリカでは「戦争を終結させるためには仕方のないこと」だっていう人が大勢いるわけだし。

 でもね、そういう理論が、結局はアメリカをのさばらせてしまうんだってことにも気づいてほしいと思うんです。イラクの平和をイラク人の手で維持できるようになったら、アメリカがしゃしゃり出てくる事もなくなるというのは甘い考えなんでしょうか。アメリカ国内ではブッシュが再選したけれど、世界的なレベルで見るとブッシュの政策が望まれてるわけじゃないという調査結果もあることだし、まずはアメリカを利用してでも国を固めて、武力ではなく発言力を強めて平和を愛するムスリムの国になってほしいなと思ったりするのです。

 それにつけても、彼(香田くん)は一体何が見たくてイラク入りしたんだろ。見たいものは見られたのかな。彼には同情も批判も集まっているけれど、死ぬ前に見るべきものを見ることができたなら、彼なりの人生を真っ当したんだろうと思うんだよ。それが他人には理解できなくてもさ。