ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

タッツェルヴルム(何からメモしたのか忘れた)

その1
 スイスのババリア地方に住むというトカゲ。体長は60〜90cmで、ずんぐりしており後ろ足がない。タッツェルヴルムとは、前二本足の虫という意味だ。チロルではベルグシュトゥッツェン(山の切り株)、シュプリングブルム(飛び跳ね虫)と呼ばれ、ダーツルヴルム、プラーツェルブルムとも呼ばれる。ベルナー高地ではストレンヴルム(トンネル虫)と呼ばれる。1836年のババリア狩猟年鑑には、ウロコのある葉巻のような体で、鋭い歯を持ち、退化したような小さな四肢があるタッツェルヴルムのスケッチが掲載されている。また、1841年のスイス年鑑アルペンローゼンにも、前足のある蛇のようなトカゲのスケッチが掲載された。

その2
 1930年代に地方紙と科学雑誌が行った調査によれば、タッツェルヴルムは体長60〜90cmで、円筒形で尾はぶっちぎれたように終わる。背中は茶色で腹は白く、尾は短く厚みがあり、首まで同じ太さのままである。頭は先のない鼻と、丸いふたつの目があり、足は小さく、一部のひとは後足がまったくないと言う。人によってはウロコはあるが蛇のような音はたてないともいう。

その3
 伝説によれば約2mは跳ねるとか、トカゲを襲うとか、牛を殺すとか、有毒で、毒の息で人をも殺すとかいわれる。1908年、オーストリア枢密院の、A.フォン・ダルゼノビッチの記録によると、信用の置ける猟師がムラウ近くの標高1500メートルのスタイルエルマルクで、タッツェルヴルムを見たという話を聞いた。長さ50cm、太さは8cmで、短い足が四本ついていた。この生き物は猟師の顔めがけておそいかかったので、ナイフで応戦したが皮膚が固くて刃がたたない。なんとか追い払ったものの、その後姿を見せなくなった。

その3
 カワウソだという説がある。カワウソはジャンプもすれば、蛇のような音をたてる。また、毛の抜けたアナグマだという説もある。アリゾナとテキサスに住むギラ(ヘロデルマ・サスペクトゥーム)とメキシコのエスコルピオン(ヘロデルマ・ホリドゥム)は、タッツェルヴルムに良く似ており、毒を持つことから、近縁種のトカゲがアルプスにもいるとする説もある。