ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

食べられる土

 滋賀県近江国野洲郡大篠村と蒲生郡鐘村との境にある星ヶ嶽という山に、食べられる土があるというので掘りに来る者が多い。その味は甘くて麦の粉に良く似ており、食べて腹をこわす者もないが、衛生上はどのようなものかと、村の戸長が滋賀県庁へお伺いをたてたそうだ。(朝日新聞 明治14年7月9日)
 
 北海道北見国斜里郡の村は深い山のなかにある弧村であるため五穀が育たず、たびたび飢餓にあえいでいた。あるとき鹿が土を食べるのを見て「食土」を発見したという。その色は白く淡い褐色をおび、骨膩(骨脂・牛の骨からとった脂)に似た質で粘土のよう。これを杏大にまるめたものをエンゴサクの根(塊茎)とともに煮込んで食べる。(東京絵入新聞 明治17年12月5日)
 
 中国の伝説にも食べられる土が発見され飢饉のおりに飢えをしのいだという話がある。