パプアニューギニア・ゴゴダラ族の食事(ウルルン滞在記)
パプアニューギニアのゴゴダラ族の主食はサクサクと呼ばれる澱粉(でんぷん)である。サゴヤシというやし科の植物を切り倒し、幹の皮を剥いて中身を削る。削った中身を籠に入れ、水を加えて絞ると白くにごった液になる。白い濁りを沈殿させたものがサクサクになる。魚とともに葉っぱでつつんで蒸し焼きにして食べる。
サクサクを取るときにサゴヤシの幹からサゴゾウムシという昆虫の幼虫が出てくる。これはゴゴダラ族の蛋白源で、串にさして焼いて食べる。番組中でリポーターの遠藤雄弥も食べていたが、番組の公式サイトによれば彼はアゲハチョウが一匹飛んでくるのを見ても逃げるほどの虫嫌いで、食べるまでは本気でイヤそうな顔をしていた。ところが、食べてしまうと笑顔で「おいしい!」と絶賛。
この虫はニューギニアの各地で食べられているらしくウルルン滞在記では過去にも何度か紹介されている。大きさは大人の親指ほどもあり、白くてやわらかそうな芋虫だ。どんな大きさの成虫になるのか気になる。
日本ではオオゾウムシの幼虫などが大型で食用にできそうだが、木の幹に巣食う虫なので食べるほど大量に取るのが難しい。ニューギニアでサゴゾウムシの幼虫を食用にするのは、幼虫が巣食う木そのものを食用にするためである。ついでにとれる虫を食用にするのは合理的な発想である。稲作が盛んな日本でイネの害虫であるイナゴを食用にするのと同じことである。
# とりあえず食ってみたいぞサゴゾウムシ(字余り)
ポーカレン族の昆虫食(ウルルン滞在記)
ポーカレン族はタイ北部山岳地帯にあるメーチャンノーイ村に住む住んでいる。主食は山で作る陸稲。虫やトカゲ、カエルやおたまじゃくしなどを、山菜とともに料理して食べる。
フンコロガシ(フンチュウ)
内臓をとり、まだ生きて動いているものを鍋にいれて塩をふり、炒めるだけ。乾煎りしているように見える。そうとう大きな甲虫だが、殻ごとポリポリ食べる。ホームステイ先のお父さんは歯がないので食べられないということだった。
タランチュラ(毒クモ)
タランチュラは土の中に巣を作っているので掘り出して捕まえる。数が少なくご馳走であるとのこと。リポーターの酒井美紀がお父さんに言われて手づかみで捕まえていた。性質はおとなしく、めったに人をかまないらしい。囲炉裏で丸のまま炭焼きにして食べる。レポーターによるとお腹の部分は蟹味噌のような味とのこと。
ジャイ(セミの一種)
毎年3月の一ヶ月間だけ取れる。日が暮れたら焚き火をたいて、村人総出で竹の棒を叩く。この音が鳴き声の周波数に近く、焚き火の光と音にさそわれてセミが集まってくる。日本で言うとツクツクホウシのような小さなセミで、体は透明感のある黄緑色で美しく、翅は透明。現地ではジャイと呼ばれている。この方法で取れるセミはジャイだけとのこと。味付けはせず串刺しにして焚き火で焼いて食べる。味は鶏肉に似て美味(村人)。
セミ
コロンというイチジクの一種から樹液をとり、鍋で煮詰めてトリモチにする。竹の棒にトリモチをまきつけて高い木の上にいるセミをつかまえる。この方法で捕まえるセミはジャイよりも大型で黒っぽく、腹が赤い。翅は不透明でまだら。翅をむしって生きたまま鍋で乾煎りし、塩をふる。ご飯と一緒に食べる。 # 日本ならアブラゼミで代用できそう?
# 村では虫のほかに、カニ、カエル、オタマジャクシ、トカゲ、ネズミなどを食用にしていた。