ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

涙を流すチプアナの木

涙を流す木を探しています。 場所は、南アフリカのイーストランド地方にあるデーヴィトンの街だそうです(綴り不明)。 1970年に植えられた12本のチプアナ樹(たぶんtipuana)のうち、一本だけが毎年 9月?2月まで水を噴くんだそうです。 1980年7月にその木がものを話すという噂がたって大騒ぎになったこともあるそうです。 その「涙を流す木」が今もあるのかどうか調べてください。   注意: 東南アジアにある雨の降る木(セミのおしっこが落ちてくるやつ)ではありません。 ゴムの木でもありません。

 この質問の元ネタは南山宏の『ちょっと不思議な話』です。主に海外の不思議なニュースを集めたもので、『ムー』という雑誌で今でも連載が続いています。

 改めて情報を箇条書きにします。

  • 南アフリカイーストランド地方、デーヴィトンの町
  • 1970年に12本のチプアナ樹を植えた
  • ある時、そのうちの1本だけが毎年 9月〜2月まで「涙を流す」ようになる
  • 木の下で見上げると、枝や葉から水がにじみ出てくるのが見えるほど
  • 木の下に「涙」で水たまりができた
  • 「涙」の成分はほとんど水である(色などの記述なし)
  • 1980年7月に、その木がものを話すという噂もあった
  • 町にそそり立つ大木
  • イーストランド管理委員会公園部で植樹
  • 公園部のウィリアム・モソンド氏がこの件に関してコメントしている


 質問は、この木が現存するかどうか、です。
 残念ながら存在の確認はできなかったのですが、いくつか面白いことがわかりました

  • デーヴィトンの綴りはDeveyton、デフェイトンとも表記。旧黒人居住区。
  • イーストランドはEast_Randで1999年にEkurhuleni Metropolitan Municipalityに改称された。
  • チプアナ樹は寿命が20年くらい(もう枯れてる可能性が高い)
  • チプアナ樹の樹液は赤い。枝を切ると人の手足を切ったように見える。
  • チプアナ樹は南アに自生する木ではない。
  • 学名で Ptyelus grossus という虫が南アのチプアナ樹につくらしい。

 
 80年の「ものを話す」というのは、チプアナ樹が血を流す木であることから生まれた都市伝説っぽいですね。当時は黒人居住区だったというのも土着の信仰と関係してそうな香りがします。
 Ptyelus grossus という虫は、日本だと○○ホソアワフキと呼ばれている虫がPtyelus属の学名がついてたことがあるみたいです。>http://pub.ne.jp/kakehi/
 
 日本でも「この木の下だけ雨が降る」というような事件がたまにあり、調べてみるとヨコバイ(アワフキムシと同じくカメムシ目)という虫が沢山ついておしっこをしていたなんてことがあるようです。おそらく、それと同じ現象だったのではないかと想像できます。
 
 
 id:meeflaさんが、テキサス州で涙を流すアカシアの木についてレポートしてくれました。1966年9月16日付のTimeより「The Crying Tree」だそうです。やはり虫が原因だったようですね。
http://d.hatena.ne.jp/meefla/20100218/crying_tree


 そういえばイギリスに血を流すイチイの木というのもあるそうです(これも「ちょっと不思議な話」より)。

  • イギリスのニューポート近郊、ネバーン村の聖ブリナック教会墓地にはえている。
  • 樹齢700年くらい、イチイの古木。
  • 地上3mくらいの幹にできた自然の傷あとから真っ赤な血によく似た液体がしみ出している。
  • 中世の修道士が濡れ衣をきせられたことに抗議し「木も血を流して悲しむだろう」と言い残して首をつったという言い伝えがある。
  • 地元林業委員会のデレク・パッチ氏は「雨水が幹のうろにたまり、木質成分を腐らせ、赤みががかった腐敗液となって破れ目からしみ出るだけ」と説明している。

http://go.travel.mag2.com/e/mag2/traveler/maigo2005/album/10194705/
 たぶん、こちらで紹介されているのがそうだと思います。英語で検索したらもっと詳しい情報があるかもしれません。