ネタ袋

不思議なことや、勉強になりそうな事を書きとめておくブログで、かつては日常の記録としても使われていたことがありますが、これからは不思議な話等をごくごくたまーに更新するかもしれません。

スカラベの実物

 日本でスカラベというと、獣の糞を玉にして転がすフンコロガシのことを言うけれど、スカラベという言葉自体はラテン系の言葉でコガネムシ類の総称です。綴りと読み方は各国で微妙に違う。たとえばスペイン語だったら escarabajo エスカラバホ。スペインじゃワーゲンのビートルもエスカラバホって言うらしいぞ(画像検索してみそ)。

 ここで扱うのはエジプト人が「再生・復活の象徴」として装飾品などにしたスカラベ=フンコロガシ。ピトリーという人が、エジプトの遺跡から出てくるスカラベの装飾品を調べて、そのモデルになった実在の昆虫を次の五属の何かだろうと分類してる(属というのは科の下、科より小さなグループ)。

コガネムシ科の
 a.タマオシコガネ属
 b.カタルシウス属
 c.ダイコクコガネ属
 d.ギムノプレウルス属
 e.ヒプセロゲニア属

a.Scarabaeus 属(google画像検索)
↑タマオシコガネ属=スカラバエウス属(Scarabaeus)?

b.つづりがわからない
 catalusiusだと人名にひっかかるのみ。ピトリーの時代とは分類が変わってる可能性も。

c.Copris属(google画像検索)
 ダイコクコガネ属=コプリス属(Copris)。この属の虫は日本にもいる。日本のダイコクコガネも子育てする時にうんこの固まりを作るらしいけど、きれいなボール型にはしないかも。

d.hypselogenia属(google画像検索)
↑ヒプセロゲニア属。これは○○ハナムグリという和名を当てられてる。ハナムグリの成虫は花の花粉に集まる虫。だとすれば、意匠になればフンコロガシと見分けがつかないけれど、実際には糞は転がさないかもしれない。

e.Gymnopleurus属(google画像検索)
↑ギムノプレウルス属


注)属名はグループの名前なので、個別の虫はこの下に所属していて、一種類ではないです。


参考「図説古代エジプトの動物」六興出版
出版社がもうないので絶版。出直したりもしてない